
This Time Each Year
要約
『This Time Each Year』は、離婚後も一人息子のために、毎年決まった時期に顔を合わせてきたローレンとチャーリーを描くロマンティックドラマです。かつては愛し合い、家庭を築いた二人ですが、結婚生活のすれ違いを乗り越えられず、今ではそれぞれ別の人生を歩んでいます。それでも息子の誕生日を祝う時間だけは大切に守り、表面上は穏やかな関係を保ってきました。 ところが、いつもの年中行事を迎えた今年、二人はこれまで避けてきた過去の問題や、互いに抱えたままの感情と向き合うことになります。ローレンは現実的で責任感が強く、家族のために自分の気持ちを後回しにしてきた女性。一方のチャーリーは、明るく親しみやすい印象の裏に、失ったものへの後悔と自分の過ちを抱えています。息子を中心に再び同じ時間を過ごすなかで、二人の間にはかつての親密さが少しずつ戻り始めますが、過去をなかったことにするだけでは、関係を立て直すことはできません。 本作の魅力は、離婚した男女が単純に“元の恋人同士に戻る”という筋立てにとどまらず、家族の形が変わった後にも続いていく愛情や責任を丁寧に見つめている点にあります。ローレンとチャーリーは、親として息子を思いやるだけでなく、一人の人間として自分たちが本当に望んでいる人生は何かを考え直していきます。毎年繰り返される同じ行事が、二人にとって過去を振り返る機会であると同時に、未来を選び直すきっかけになっていくのです。 セカンドチャンス、許し、率直なコミュニケーション、そして血縁だけではない「家族」の在り方を、温かなユーモアと穏やかな恋愛模様で描いた作品です。派手な展開よりも、長い時間をともに過ごした二人の間に残る気まずさや優しさ、言葉にできなかった思いを味わうタイプの映画で、再出発をめぐる大人のラブストーリーとして楽しめます。












